西普天間の土壌汚染 鉛21倍、ヒ素も基準値超え


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 【宜野湾】キャンプ瑞慶覧・西普天間住宅地区の跡地で23日、沖縄防衛局が実施した土壌汚染概況調査で、最大で基準値の21倍を超える3200ミリグラムの鉛が検出されていたことが分かった。ほかにも油分や基準値以上のヒ素、発がん性が指摘されるジクロロメタンが確認されていた。防衛局は今後、汚染の範囲や由来を調査し対応を検討する。

 汚染は跡地利用に関する政府と県、宜野湾市、地主会による協議会の第11回会合で報告された。防衛局は2015年度に調査を実施し協議会で公表した。

 鉛の含有量は調査した563地点のうち、3地点で基準値(1キログラム当たり150ミリグラム)を超え、それぞれ3200、1500、470ミリグラムだった。人為汚染が考えられるため、今後、地下水へ移行している可能性を含め汚染深度を調査する。

 ヒ素は、563地点のうち2地点で基準値(1リットル当たり0・01ミリグラム)を超え、0・046、0・013ミリグラムが検出された。

 油分は2632地点中、68地点で参考基準値(1キログラム当たり500ミリグラム)超えを確認し、最大で1キログラム当たり3万7千ミリグラムを含んでいた。ジクロロメタンは563地点のうち4地点で検出し、今後数値を調査する。

 環境総合研究所顧問の池田こみち氏は琉球新報の取材に「原因が何か特定してほしい。米軍にも土地をどう使っていたのか問い合わせるべきだ」と指摘した。