悲しみ、無言で表現 市民団体ワシントンで 米軍属女性遺棄


この記事を書いた人 新里 哲
米軍属女性遺棄事件を受け抗議行動を実施した「コード・ピンク」のメンバーら=26日、ワシントンのユニオン駅

 【ワシントン=問山栄恵本紙特派員】平和と社会正義を求めて活動する女性たちで組織する「コード・ピンク」が26日、ワシントンで米軍属女性遺棄事件を受け抗議行動を実施した。メンバーはマイクを使ったアピールではなく「基地反対」などと書かれたプラカードを掲げて沖縄からの米軍基地撤去を無言で訴えた。同時に事件の犠牲となった女性の遺影を掲げ、犠牲者に擬して地面に横たわり抗議の表明をする「ダイ・イン」で深い悲しみと怒りを表現した。

 抗議行動はコード・ピンクのメンバーで母親が県出身のアリス・クリマ・ニューベリーさん(22)が企画した。ニューベリーさんは「この悲しみや怒りは言葉で表現することができない。米国市民にも沖縄の現状を知ってもらいたい」と語った。抗議行動には退役軍人で組織する「ベテランズ・フォー・ピース」など米市民団体のメンバーや、辺野古新基地建設に反対する海外有識者の呼び掛け人の一人、ブラウン大のスティーブ・ラブソン名誉教授、全米女性連盟創設者のステファニー・オートレバ弁護士らも参加した。
 抗議行動ではニューベリーさんが口に黒のガムテープをし、沖縄の声なき声を表現。地面に横たわる人たちの上には血を模した布がかぶせられ、残酷な事件を表した。
 事件のことを初めて知ったというマーク・クリタさんは(55)=ワシントン=は「悲劇的な事件だ。なぜ海兵隊は沖縄に駐留し続けないといけないのか。オバマ大統領はなぜこの問題に目を向けないのか、失望した」と述べた。
 抗議行動に参加したラブソン名誉教授は「日米両政府は謝るだけでは駄目だ。沖縄の声を聞き、実行すべきだ」と強調。オートレバ弁護士は「米軍基地がある所には女性への暴力が存在する。米軍は沖縄から撤退するしかない」と指摘した。
英文へ→Citizen groups express sorrow and anger in Washington, D.C. after Okinawan woman was allegedly murdered by former US marine