無料Wi―Fi全県展開へ セルラー、5700スポット開放


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 沖縄を訪れる外国人観光客がいつでもどこでもインターネットに接続できる環境を拡充しようと、県は無料で使える公衆無線LAN「Wi―Fi(ワイファイ)」の全県エリア展開に着手した。事業者が各地に設置している無料の接続ポイントの協力を得て「Be―Okinawa―Free―Wi―Fi」を統一ブランドとする県推奨サービスへの一元化を図る。沖縄セルラー電話(北川洋社長)は27日、第1号提供事業者の指定を受け、au契約者向けの県内約5700の接続ポイントを県推奨サービスとして7月1日から無償開放すると表明した。

 県観光推進課の実施している外国人観光客実態調査では、沖縄旅行でWi―Fi環境に対する満足度が低い状況が続いている。大手電気通信事業者が全県下でWi―Fiスポットを無償提供するのは全国でも初めて。県は引き続き「Be―Okinawa」Wi―Fiサービスに協力する民間の事業者を募集し、対象エリアを拡大していく。

 県は、外国人客が多機能携帯電話(スマートフォン)などで「Be―Okinawa」Wi―Fiサービスに接続すると、観光施設やホテルに移動しても継ぎ目なくネットにつながる環境を構想する。近く国や市町村、観光関連団体、通信事業者などに呼び掛け「県フリーWi―Fi統合環境整備推進協議会(仮称)」を発足し、各事業者間の認証手続きの一元化に必要な技術の検証や、セキュリティー問題といった課題を官民挙げて整理する。

 県庁で行われた沖縄セルラー電話への指定書交付式では、翁長雄志知事が「5年後の観光客1千万人に向かう上で、世界水準と比べてWi―Fi環境は大変弱い部分がある。アジア経済戦略構想でも情報関連の比重は大きくなっていくことから、その基礎を一緒に整えていけるのはありがたい」と賛同に感謝した。

 北川社長は「世界で当たり前になる環境が沖縄観光では足踏みしている。外国人観光客の利便性向上のために一気に進めていこうということで協力を決めた」と述べた。

 沖縄セルラーでは、県内で稼働するauWi―Fiスポットの識別名を「Be―Okinawa」の設定に順次変更する。

翁長雄志知事(右から2人目)から指定書を交付される沖縄セルラー電話の北川洋社長=27日、県庁