読谷、コザが頂点 ソフトボール 県高校総体第3日


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 2016年度県高校総合体育大会第3日が30日、各地で行われ、ソフトボール男子は読谷が18回目の優勝で4連覇、女子はコザが2年ぶり5回目の優勝を飾った。空手個人組手女子は運天葉月(沖尚)が2連覇、男子は喜友名朝博(前原)が栄冠を手にした。ソフトテニス個人女子は友利璃南・金城紬女組(名護)が制して団体と2冠となった。男子は與那嶺晃大・安谷陸組(那覇西)が優勝して団体との2冠を達成した。女子ハンマー投げは城間歩和(中部商)が33メートル84の大会新記録で頂点に立った。

男子決勝 延長10回無死一、三塁 暴投の間に生還する読谷の津波駿佑(左)と悔しそうな表情を見せる島袋海(嘉手納・右)=30日、読谷村多目的広場(諸見里真利撮影)

◆意地と粘りで激戦突破/ソフトボール・読谷
 前大会覇者ながらそれ以後、県内大会の栄冠を逃し続けた読谷ナインの意地が、勝利の扉をこじ開けた。両チームともにミスなく、土壇場の粘り強さを発揮して迎えた延長十回表、読谷の攻撃。延長タイブレークにより二塁スタートの津波駿佑が、自他共に認めるチャンスメーカー・桑江凌汰の中前打で三塁に進んだ。
 隙あらば生還する姿勢の津波。読谷の宮平永義監督が「制球能力が高く、うちのクリーンアップを抑えた」と評価する島袋海(嘉手納)の投球が捕手の股下を抜ける。島袋の1回だけの失投に、「いつでも狙っていた」津波がはじかれるように走りだし、ベンチの大歓声を追い風に本塁を駆け抜けた。十回裏、東仲隼人が三者凡退に打ち取ると、読谷ナインの笑顔がはじけた。
 両チームの監督が「どちらが勝ってもおかしくなかった」と振り返る決勝。読谷の宇根祐吾主将は「いつもならサヨナラ負けの場面だが今回は諦めなかった」と話し、我慢の季節を乗り越えたナインの成長を確信した。勝利の裏には「嘉手納打線の要である1番は出塁させない。東仲の球速が落ちれば打たせて取る」という、対戦相手を研究してきた捕手・新垣勝太郎の冷静な判断もあった。
 重要な大会で常勝校としての勢いを取り戻した読谷。同校2年で、伸び盛りの東仲は「貪欲に勝利を求める先輩たちとまだまだプレーできる。全国でも、勝ち上がれるだけ上がっていく」と目を輝かせた。(嘉陽拓也)

女子個人組手決勝 積極果敢な攻めで浦添の宮城亜津咲を圧倒し、優勝した沖尚の運天葉月(右)=30日、那覇国際高体育館(又吉康秀撮影)

◆運天(沖尚)女子組手連覇/恩師と挑む全国頂点
 女子個人組手で2連覇した沖尚の運天葉月。連覇の重圧もあったが初戦から挑戦者として臨み、支えてくれている人たちの思いも背負い戦った。優勝し「うれしいのもあるし、ほっとしたのもある」と笑顔ものぞくが直後、言葉に詰まる。「チームメートで九州、全国に行けないのは悔しい。団体戦で勝てず(顧問の国吉)真太郎先生にいい形で恩返しができなかった」と悔しさがにじんだ。
 3年最後で負けていった人たちの思いもある。「みっともない試合はできない。絶対に勝つ」と個人の決勝に挑んだ。中学1年から指導を受ける国吉先生の教え通り、落ち着いて一本一本に集中。最初から積極的に仕掛けて好機を生み出し、相手の崩れを狙った。得意の上段突きは相手に研究され、よけられたが中段突きが決まった。
 恩師は「1ポイントも与えず完全勝利したことは大きい」と教え子の成長をたたえ、「目標の全国優勝に向け反省点を改善して挑みたい」と全国制覇を誓う。スピードが武器で152センチと小柄ながら昨年の国体でベスト16の実力を持つ運天。団体の悔しさを力に変え「きつくてもここからが勝負。全国で結果を残し、(国吉)先生が教えているところは強いとアピールし、学校の名前を有名にしたい」と目を輝かせた。(崎原有希)