11日から沖縄県石垣市の石垣港沖合に寄港していた、イージスシステム搭載の米海軍ミサイル駆逐艦「ラファエル・ペラルタ」が13日午前9時15分ごろいかりを揚げ、同20分ごろに出港した。出港に伴い、ストライキを実施していた全日本港湾労働組合(全港湾)沖縄地方本部は同時間帯にストを解除した。
駆逐艦の出港後、石垣港では港湾労働者らが船舶からコンテナを降ろし、フォークリストやトラックが行き交った。
沖縄県によると、県内の民間港に駆逐艦が寄港するのは初めてだった。米海軍の乗員は連日、小型船で上陸した。市民は抗議の声を上げ、全港湾が全面ストの実施に至るなど、寄港に反発が広がった。県も在日米海軍司令官らに石垣港の使用自粛を口頭で求めていた。
石垣市は2月9日、駆逐艦の喫水(船底から水面までの長さ)が深く、「安全を確保できない」として、石垣港へ「入港不可」と判断した。その後、米側は沖合停泊に計画を変更。3月7日、上陸を想定し代理店を通じて市に岸壁の使用許可を申請した。だが必要な書類が整っておらず、市はいったん「保留」としたが、その後、週末に書類が整ったとして、市は10日、港湾使用の申請を許可した。
港湾管理者の中山義隆市長は11日、寄港を許可したことについて「法的なクリア、安全性の担保、書類が整った」ことを理由に挙げた。「基本的に拒否する理由がない」と述べ、米軍艦の寄港を問題視しない姿勢を示していた。
(照屋大哲)