石垣市議会(我喜屋隆次議長)は12日、米海軍ミサイル駆逐艦「ラファエル・ペラルタ」の寄港を受け、石垣港でストライキを実施している全日本港湾労働組合(全港湾)沖縄地方本部に対し、ストの即時解除を求める要請決議を賛成多数(賛成13、反対8)で可決した。
議会がスト解除を求めるのは異例。野党は「いち議会がいち労組を威圧するような決議はなじまない」などと反対した。与党の長山家康市議が議員提案で提出し、与党と中立が賛成した。
決議は、駆逐艦は石垣島と竹富島の間に停泊し「港湾労働者の安全の脅威になっているということは理解しがたく、市民の理解は得られない」として、全港湾がストの理由に労働者の安全などを挙げていることを批判。「全港湾のストは労働基本権に定められた『団体行動権』によるストではなく、政治目的のスト」と断じた。「政治的主張を展開することは自由だが、ストによって生じる影響を十分に検討することが必要だ」と求めた。
賛成討論で与党の高良宗矩氏は「労働三権は労働者の権利として憲法で規定されているが、政治ストは憲法が保障する行為に当たらない。強固な日米同盟を堅持する観点、抑止力の観点から今回の寄港は必要だ」と主張した。
反対討論で野党の砥板芳行氏は「戦前から港が軍事利用されてきた。港湾労働者は民間港を二度と兵たんの場にしてはいけない思いで運動をしてきた。政治ストだと片付けずに、港湾労働者の置かれた状況を踏まえ考えるべきだ」と訴えた。
(照屋大哲)