2015年の1年間に国内で発生した米軍関係者(米兵・軍属・家族)による「一般刑法犯」(刑法犯から交通事故による業務上過失致死傷、重過失致死傷を除く)の起訴率が約18・7%だったことが2日、日本平和委員会の調べで分かった。14年の米軍関係者の起訴率は15・6%で、同年の日本人も含めた起訴率38・5%に比べると大幅に低く、米軍関係者の犯罪が依然として特別扱いされている現状が浮き彫りとなった。一方、15年の沖縄県内における米軍関係者の同起訴率は約34%だった。
米軍関係者による一般刑法犯で第1次裁判権が日本にある91件のうち、74件が不起訴。強姦(ごうかん)・強姦致死傷については5人全員が不起訴で、2001~15年の15年間でも両罪での起訴率は約17・9%にとどまった。
日本平和委員会は米軍関係者の起訴率が低い背景に、1953年に結ばれた米兵の公務外での犯罪について「日本側が重要案件以外第1次裁判権を放棄する」との密約の存在があると指摘。「密約を日本政府が現在も忠実に実行している証拠だと捉えている」とした。
一方で県内の起訴率が全国と比べ高いことについては「沖縄には基地が集中しており日常的に事件が発生しているので、県民の目が他県に比べて厳しいということも影響しているのではないか」との認識を示した。
同委員会は法務省に開示請求した「合衆国軍隊構成員等犯罪事件人員調」を基にデータをまとめた。