那覇市首里崎山町の那覇市立城南小学校(安里恒夫校長)で2日、戦争体験者3人を講師に招き、平和学習が行われた。児童約400人が参加。児童らは、爆弾をかいくぐって命からがら避難したり、肉親を失ったりしたという戦争体験者の壮絶な経験に耳を傾け、平和の大切さを実感した様子だった。
講話を行ったのは、沖縄・民間戦争被害者の会(野里千恵子会長)の運営委員。児童を低・中・高学年の三つに分けて講話した。野里さん(80)は低学年の部で講演し「登校前、爆弾の雨が降っている様子が見えた。ランドセルを背負ったまま、やんばるへ避難した」と当時を振り返った。2年生の金城秀太郎君(7)は「爆弾で家が壊されてかわいそう。友達とけんかをしないで仲良くしたい」と話した。
中・高学年の部では柳田虎一郎さん(78)と上原和彦さん(77)が南洋群島のパラオや台湾での戦時中の様子を語った。柳田さんは「幼稚園から竹やりを持って敵に突撃する教育を受けた。『兵隊さん、ありがとう』と言ってご飯を食べた」と当時の軍国教育を説明。台湾で母親やきょうだい3人を失った上原さんは「武器を持たず平和をつくっていってほしい」と訴えた。
講話を聴いた4年生の前原幸来(ここ)さん(9)は「友達と一緒に安心して勉強できる私たちはとても幸せだと思う」と話した。
6年生の洲鎌想(こころ)さん(11)は「戦争の悲惨さは計り知れない。亡くなった人々のことを忘れずに、伝えていこうと思った」と話し、沖縄戦を語り継ぐ意思を強くした。