教育ローン実績最高 ひとり親特例半数超 沖縄公庫15年度


この記事を書いた人 新里 哲

 沖縄振興開発金融公庫(譜久山當則理事長)は9日、2015年度の教育ローンの融資実績を発表した。件数は前年度比1%増の2080件、金額は同4%増の23億8100万円とそれぞれ過去最高だった。離島環境や本土との所得格差を踏まえて金利を低減する「利率特例」の活用は1076件、12億900万円で、件数、金額ともに融資全体の半数超を占めた。

 利率特例のうち、ひとり親世帯を対象に金利を0・4%低減する母子・父子家庭特例の利用件数は前年度より40件増の526件、金額では8千万円増の6億1200万円となった。

 15年度から父子家庭にも特例の適用対象が広がったこともあり、母子・父子家庭特例の利用は増加の傾向にある。沖縄公庫は16年度から、ひとり親家庭の親の学び直しに必要な資金について、150万円を限度に金利を1・3%低減する「教育ひとり親利率特例」を創設している。

 国の一般資金貸付の限度額は350万円だが、高校卒業以降の進学を対象に沖縄公庫独自に融資枠を200万円広げる「沖縄人材育成資金」の利用件数は前年度比47%増の165件、金額は同66%増の1億6800万円で、12年度の創設以来最高の実績となった。

 沖縄公庫では増加の要因として高校などに出向いての制度説明会を積極的に開催するようになったことや、ホームページのリニューアルで返済シミュレーションが分かりやすくなったことなどで制度の認知が広がったことを指摘した。