車社会の沖縄 各地で渋滞 身動き取れず「原則徒歩、家族で議論を」<検証 津波避難>1(1/2ページ)


車社会の沖縄 各地で渋滞 身動き取れず「原則徒歩、家族で議論を」<検証 津波避難>1(1/2ページ) 宜野湾署は県道81号の伊佐交差点から全4車線を一方通行にし、普天間方面に誘導した=3日午前10時頃、宜野湾市(オキジモ提供)
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 3日午前9時半すぎ、浦添市の自宅から勤務先の沖縄市に車で向かっていた40代会社員女性は、上り坂になっている宜野湾市伊佐交差点から同市普天間交差点向けの県道81号を進んでいた。車列のそばの歩道では、介助されながら車いすで移動する高齢者らの姿があった。

 午前9時1分に津波警報が出され、沿岸部から高台に避難しているとみられる車で混み始めていた。「すぐに逃げて」と繰り返すラジオニュースや携帯電話から響く警告音に焦りを募らせたのか、十数台の車が路肩に止められていたという。「私は早く抜けられた方だと思う。どんどん車が増えている様子だった」と振り返った。

 県内で13年ぶりに津波警報が発表されたこの日、幹線道路を中心に沿岸部から高台に避難しようとした車が集中し、各地で渋滞が発生した。

 県警は那覇市内の西海岸方面から国道58号に向かう信号で、青信号を通常より長く点灯させるなどして対応。県道81号でも同9時40分ごろから約40分間、伊佐交差点から普天間向けの約500メートル区間で、全車線を内陸部への一方通行に切り替える措置を講じた。

 県防災危機管理課によると、渋滞により緊急車両の通行に支障が出たといった事例は確認されていない。ただ、渋滞で身動きが取れなくなった人からは「想定外の高さの津波が来ていたら、到底逃げられなかった」との声も漏れた。