【沖縄】天ぷら油など廃食用油(動植物油)などを燃料にした「沖縄バイオマス発電所」が1日から沖縄電力へ送電を開始し、事業主体の大幸産業(大城實社長)が7日、沖縄市登川の同社でお披露目会を開いた。発電所の大城章実所長は「将来的に発電機を10機にするとともに、事業者向けの小型の発電機普及も促進したい。一方で一般家庭からの廃食用油の回収体制を、行政の力を借りて実現したい」と話している。
発電装置は2機が稼働し、発電出力は1日当たり7680キロワット。一般家庭で800世帯を賄える。国内では東京、群馬の設置に続き3例目。発電出力は国内最大という。
発電機の燃料・廃食用油は学校給食センターや飲食店、ホテルなど県内事業者から回収しているが、今後は一般家庭からの廃食用油の回収体制が課題となっている。
お披露目会には県や沖縄、うるま市など行政担当者を招いて、資源ごみとしての廃食用油の回収について理解を求めた。大城社長は「ペットボトルなどを使った回収システムが確立できればと考えている。エネルギーを地産地消する県民発電所として事業展開していきたい」と話す。
事業者用の小型発電機の普及も進める。廃食用油はそのままでは使えないため精製する必要がある。同社では独自のノウハウで、稼働する燃料精製設備で小型発電機への燃料供給に貢献する。