那覇市の日赤安謝福祉複合施設(川満博信園長)内にある安謝児童館で16日、「慰霊の日交流」が開かれた。同施設内にある安謝特別養護老人ホーム利用者で沖縄戦体験者の新里初子さん(82)を招いて平和について考えた。新里さんは「あれほどの地獄はない。戦争は絶対に起こしたら駄目だ」と児童らに強く訴えた。
同児童館は8年前から毎年慰霊の日に合わせて平和学習を行っている。
新里さんは10歳の時に沖縄戦を体験。「爆弾をかいくぐって避難した防空壕で飢えに苦しんだ。投降して壕から出ると殺されると思い怖くてできなかった」と振り返った。
新里さんはこれまで「話しても分かってもらえるはずがない」と、体験を語ってこなかった。だが、施設職員に勧められ、語ることを決意。「戦争は絶対に二度と起こしてはならない。たくさん勉強して、平和の大切さを感じ取ってほしい」と子どもたちに語り掛けた。
新里さんの講演を聞いた名城暢希(のんの)さん(8)=安謝小3年=は「爆弾も爆発して怖かったはず。友達と仲良くできれば戦争は起きないと思う」と話した。
比嘉みなみさん(8)=同=は「戦争が起きないように、友達と仲良くしたり協力し合いたい」と話した。