「子を失い悲しむ親は私たちを最後に」 米軍属事件、名護で900人が追悼


この記事を書いた人 志良堂 仁
米軍属女性暴行殺人事件で犠牲になった女性に対し黙とうする市民ら =17日午後6時50分、名護市大南の市屋内運動場

 【名護】米軍属女性暴行殺人事件で犠牲になった女性の出身地・名護市で「追悼名護市民集会」(同集会実行委員会主催)が17日、同市大南の市屋内運動場で開かれた。市民ら約900人が参加し、犠牲になった女性の冥福を祈った。被害女性の両親からのメッセージが読み上げられ「未来を断ち切られた娘が最後の犠牲者となり、子を失い悲しむ親は私たちを最後にしてほしい」と呼び掛けた。同級生2人がそれぞれ登壇し、友人として犠牲になった女性や家族の無念さを思いやり、女性のことについて「いつまでも思い続ける」と固く誓った。

 今回の集会は、犠牲になった女性のみ霊を慰め、遺族に寄り添うことが目的。抗議ではなく追悼集会として市民一人一人が祈りをささげた。主催した実行委は、被害者の同級生や女性団体、区長会会長・各支部長、市議、市商工会長、市観光協会理事長ら各種団体の代表らで構成した。

 被害女性の両親はメッセージの中で実行委員会や集会参加者へ感謝し、娘に向けては「今が一番楽しい時期だったのに、このような形で人生を終えるはずではなかった。『怖い思いをしたね。後のことは心配しないで安らかに』。そう伝えたい」と思いを込めた。

 実行委員長の稲嶺進市長は「女性の冥福を祈るとともにご家族に心からの哀悼の意を表したい」と語った。