「一致団結し戦う」 バレー五輪代表選出の座安


この記事を書いた人 Avatar photo 与那嶺 明彦
座安琴希(久光製薬スプリングス提供)

 日本バレーボール協会が27日発表したリオデジャネイロ五輪女子代表メンバーに、座安琴希(沖縄・中部商高―久光製薬)が名を連ねた。座安は2012年にロンドン五輪の代表入りを逃した。悔しい思いを胸に「諦めない気持ちを大切にしてきた」と語る。小中・高校時代の恩師らも座安の粘り強くボールを拾う守備力と、冷静な判断でチームを引っ張る存在力を高く評価している。座安は追い込まれる試合でも「チームの流れを良い方向に変えていけるプレーができるようにしたい」と五輪に向け抱負を語っている。

 リオ五輪代表に選ばれた座安が琉球新報社の取材に対し、所属する久光製薬スプリングスを通してコメントを寄せた。

 ―オリンピックに選出された感想と意気込みを。
 「4年前のロンドンオリンピックでメンバー落ちしたことがとても悔しかったので、今はホッとしている」
 「最終的に勝つためにはハートの勝負になってくると思うので、チームワークを高めることと、コミュニケーションを常に取り、チームが一致団結して戦い抜きたい」

 ―中部商業から久光製薬スプリングスに入団し、代表入りするまでどのように自分を高めてきたか。
 「小中高とポジションはセッターだったが実業団に入りリベロに転向した。一番大切にしてきたのは練習の質と量。努力することで勝ち取ったものが多いと思うし、諦めない気持ちを大切にしてきた」

 ―五輪の舞台ではどのようなプレーがしたいか。
 「試合は良い状況ばかりではないので、悪い状況の中で自分のパフォーマンスを高めつつ、チームの流れを良い方向に変えていけるプレーができるようにしたいと思う」
 「プレー面だけではなく、ベテラン選手と若手選手の橋渡しができる存在になりたい。その部分も真鍋監督が期待していると思うので、私が表立ってまとめるということではないが、うまくつないでいくことができればと思う」

 ―中部商業の後輩や沖縄県民へ一言。
 「中部商業で過ごした3年間で我慢する大切や諦めない気持ちなどを学んだ。それらを大切に自分の目標に向かって努力し続けたからこそつかめた今がある。何かに向かって努力することはとても大切なことだと思うので、時間を大切にし、就職でも進学でもいろいろなことに挑戦していってほしい」
 「県出身のオリンピック選手は少ないが、こうして選出していただいたので、沖縄県のバレーボールの発展につながるよう頑張りたい。本土とは離れた沖縄でも、身長が小さくてもやれるんだ、ということを伝えることができればいい。そして沖縄の皆さまに感謝の気持ちを持って戦ってきたい」

◇略歴
 ざやす・ことき 1990年うるま市出身。小学校3年からあげなクラブでバレーボールを始め、高江洲中、中部商業ではツーセッターとして活躍。2007年は主将として全国高校選抜優勝大会、国民体育大会に出場。08年にレシーブ能力を買われ、Vプレミアリーグの久光製薬スプリングスにリベロとして入団。11年に初めて日本代表に登録。11―12シーズンから2季連続でサーブレシーブ賞、ベストリベロ賞を獲得した。159センチ。26歳。