選挙で政治身近に 18歳選挙権 若者向けに入門書


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「高校生のための選挙入門」を手にする沖縄国際大講師の安原陽平さん=宜野湾市の沖縄国際大

 10日投開票の参院選を前に、高校生など若い世代に選挙を身近に感じてもらおうと沖縄国際大学講師の安原陽平さんらが書籍「高校生のための選挙入門」を三省堂から発行した。投票だけでなく、選挙運動と政治活動についても章を立てて説明し、憲法で保障された表現の自由を元に自分たちの意見を発信しようと呼び掛けている。

 執筆したのは、大学教員や高校教諭ら8人。高校の現場からの視点を重視し「民主主義の理念の実践」として生徒会活動や、野球部のベンチ入り選手を投票で決める事例など、身近な話題から若い世代が関心を持てるよう工夫した。

 政治活動の章に力を入れたという編集・執筆を担当した斉藤一久准教授(東京学芸大)は「一番の根本にあるのは表現の自由。その自由に基づいて政治活動があり、その先に投票や選挙がある」と説明。団体行動の自由や思想・信条の自由など憲法についてのコラムも盛り込んだ。

 斉藤さんと共に企画から関わった安原さんは「政治活動というと堅い、怖いといったイメージもあるが、本来政治は日常生活に密着し、非常に幅が広い。私たちにはそこへの意見を表明する自由があることを知り、現行制度への是非も含めて、考えを発信してほしい」と呼び掛けた。
 書籍は県内書店の店頭のほかインターネットでも注文できる。税抜き1200円。