【名護】スタークルーズ(本社・香港)の大型クルーズ船「スーパースターヴァーゴ」(7万5338トン、乗客定員1960人)が8~9月に計6回、名護市へ寄港する方向で検討していることが2日までに分かった。実現すれば同市への大型クルーズ船寄港は初。市や地元観光関係者らも受け入れ態勢の強化に取り組む構えだ。
観光関係者からは、今回を足掛かりにクルーズ船の誘致活動に力を入れることで本島北部の農産物や観光地を売り込んで経済活性化につなげる好機と捉える声が上がっている。
同船は従来、香港を出発し、中国・広州を経て県内では那覇市や宮古島市などを経由してきた。しかし、宮古島市の平良港に寄港するクルーズ船が増える中で接岸できる岸壁の確保が難しいため、航路を変更する。本島北部を新たな寄港地とすることを視野に、本部港も含めて検討してきた。
本部港が改修工事中であることや、名護市へ寄港した方が商業施設が多い市街地に近いなど船客の利便性が高いなどの背景があるとみられる。
同船は、名護湾に囲まれた名護漁港の沖合約1キロに停泊し、乗客約100人を乗せることができる上陸用の小船「テンダーボート」4隻を使い、陸まで移動する見通し。船舶代理店の沖縄シップスエージェンシー(那覇市)が名護への寄港に必要な手続きを調整しており、打診を受けた名護漁協は6月28日の総会で名護漁港への寄港を認めた。
(古堅一樹)