ザトウクジラ 交尾は1,2月 21年間の調査 沖縄美ら島財団


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調査中に撮影された、ザトウクジラが体を宙に持ち上げるブリーチ=沖縄周辺海域(沖縄美ら島財団提供)

 【本部】一般財団法人沖縄美ら島財団(本部町)は沖縄周辺海域に来遊するザトウクジラの交尾や出産など繁殖行動の最盛期について、21年にわたる調査で解明した。このほどインターネット上の学術誌で発表した。

 調査は1991年から2012年までの21年間行った。ザトウクジラの尾びれの模様で1284個体のオスとメスを判別し、群れの構成を分類した上で、行動を観察した。

 解析結果によると、1月下旬~2月下旬にオスとメスのペアや、オスとメスが混合した3頭以上の群れの発見が多かった。一方、子どものクジラを伴うメスの発見は2月中旬~3月下旬にかけて増加した。以上のことから、沖縄に来遊するザトウクジラの交尾行動は1月~2月下旬に最盛期を迎え、約1年の妊娠期間を経て、出産は2月中旬以降に多いと推定されることが分かった。

 沖縄美ら島財団総合研究センターの小林希実さん(36)は「ザトウクジラはホエールウオッチングの対象として注目されているが、解明されていないことが多い。今後、観光産業にとっても重要なクジラの生活を邪魔しないよう保全活動をしていくことに役立つ」と成果を強調した。

英文へ→Okinawa Churashima Foundation confirms humpback whale mate between January and February