沖縄市に「ヒストリート」という展示館があるのを知っていますか?貴重な歴史的資料から懐かしのグッズまでいろいろそろっていて面白いので調査してみてください!
(沖縄市 チヨコミント)
ヒストリー(歴史)とストリート(通り)を組み合わせた名前がオシャレでかっこいいですね。調べてみると、正式名称は「沖縄市戦後文化資料展示館ヒストリート」。沖縄市の戦後史に焦点を当てた展示館とのことでした。さっそく調査員は同館のある沖縄市中央へと向かいました。
沖縄市が運営
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調査員を出迎えてくれたのは、沖縄市役所総務部総務課 市史編集担当の伊佐真一朗さん。聞くと、同館は沖縄市が運営している施設だと教えてくれました。
「市史編集事業では沖縄市の歴史を伝えるいろんな情報や資料が集まりますので、これらをまちづくりに生かしていくことを目的として2005年にオープンしました」
当初は中央パークアベニューのパルミラ通り沿いにあった同館。18年に現在の場所に移転したのですが、そこにはこんなこだわりが……。
「『コザ暴動』の現場がほとんど目の前なんです。市内に基地があって、その周辺に住んでいる人たちとの関わりの中で衝突しながらも文化が生まれていく。ここは、そういった戦後のさまざまな風景が生まれてきた場所なんです」
同館には、後に合併し沖縄市となるコザ市や美里村にまつわる行政資料をはじめ、当時の貴重な写真や、食器やおもちゃといった生活必需品などが所狭しと展示されています。その中には沖縄市に住んでいる人たちの寄贈品も数多くあるといいます。
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市民の記憶をつなぐ
数ある展示の中で伊佐さんイチオシは、戦後の生活用品を展示している一角。米軍製酸素ボンベの半鐘やジュラルミン製品が並びます。
「これらは米軍の備品なんです。戦争で何もかも失って、生き残っていくためにはあるものを使って生活を再建させていく。ジュラルミンは本来、飛行機などに用いられるアルミ合金。戦後、大量に廃棄されていた戦闘機や戦車を切り刻んで、砂などで作った鋳型(いがた)にアルミを流して自分たちが使う製品に作り直していた。生活に必要な道具を作るのが戦後の復興のスタートだったんです」と伊佐さん。展示しているジュラルミン製の鍋やヤカンはいずれも本物。そのため「私も昔これを使っていたよ」と声をかける人も少なくないといいます。
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「市民の記憶・歩みが詰まったヒストリート。ここに来ることで、さらにいろんな思い出が集まっていく。すると今まで分からなかった沖縄市のことを知ることができるようになります。『私たちの街ってどんな場所で、これからどんなふうに作っていくんだろう?』と考えられる場にしたいと思っています」
現在は常設展のほか、2階企画展示室で特別企画展「沖縄市のあゆみPart1『沖縄市誕生』」を開催中。普段目にすることのできない貴重な資料を展示しています。
沖縄市の歴史がたっぷり詰まった文化資料展示館は、市民の記憶が交錯する交差点のような場所でした。
沖縄市戦後文化資料展示館 ヒストリート
沖縄市中央2-2-1(タサトビル1・2階)
入場無料
営業時間=火曜~日曜10:00~18:00
定休日=月曜、祝日、慰霊の日、年末年始
TEL 098-929-2922
〈特別企画展〉
「沖縄市のあゆみPart1『沖縄市誕生』」
会期=~7月14日(日)
(2024年6月6日 週刊レキオ掲載)
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