沖縄出身のラッパーAwich(エーウィッチ)さんが10日、那覇市にある世界遺産「識名園」で開かれた「沖縄グローバルアンバサダー(国際大使)」の就任式と記者会見に出席した。
蒸し暑い曇り空の下、全身黒のスーツで登場したAwichさん。園内の「御殿(うどぅん)」で開かれた就任式で、「現代の名工」平良恒雄さん作のトロフィーが贈られた。
大勢の記者やカメラを前に「沖縄の教え、価値観、思想、文化を持って世界を一つにする一端になるよう努力していく」と力強く語ったAwichさん。県出身ラッパーとコラボした地元や人生を歌った曲のミュージックビデオでは首里城や那覇の街といった撮影場所が“聖地巡り”になっていることも挙げ、沖縄の人々の生活そのものが観光資源になりえるとした。
「沖縄グローバルアンバサダー」は沖縄観光を促進する官民一体型の組織・沖縄観光コンベンションビューロー(OCVB)の取り組みで、任命はAwichさんが初となる。国内外問わず活躍の場を広げる中で常に故郷への愛を発信している姿や、若者への影響力が起用の理由だ。
今後、Awichさんは「アンバサダー」として沖縄の魅力発信や観光振興に関する事業で協力していくという。就任式であいさつしたOCVBの下地芳郎会長は「沖縄の持つ価値観を大切にし、世界に向けて発信を続けている情熱に感銘をうけた。特に海外に向けての沖縄観光のPRに連携を深めていく」と話した。
園内ではAwichさんの両親の浦崎直行さんと米子さんも晴れ姿を見守った。直行さんは「沖縄のためにいろんなことを発信して若者たちに夢を与えてほしい」とエールを送った。
Awichさんは10日午後には玉城デニー知事を表敬訪問する。