平岡さん受賞 新報児童文学賞短編小説部門


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  平岡 禎之さん

 第28回琉球新報児童文学賞の最終選考会がこのほど那覇市内で開かれ、短編児童小説部門で平岡禎之(さだゆき)さん(56)=那覇市、会社員=の「雨あがりの空にかがやく」が選ばれた。しましまかと(本名・上間美香)さん(25)=浦添市、公務員=の「帽子ぐるぐるー」が佳作となった。創作昔ばなし部門は受賞はなく、大石直樹さん(56)=浦添市、出版社経営=の「月夜の鳥」、つきなが海詩(みうた)(本名・久場勝未)さん(55)=那覇市、主婦=の「アルソミトラ」の2作が佳作に選ばれた。

 「雨あがりの空にかがやく」は、発音に不自由がある男の子が主人公。曽祖父が子どもの時に戦争で親友を失ったことを知り、けんかをしたままの友達を思い、手紙を書いて仲直りをする。選考委員は「2人が仲直りするのが自然」「老人がリアルに描かれている」「戦争の描き方が淡々としていてうまい」などと評価した。

 今回、短編小説部門に14編、昔ばなし部門に13編の計27編の応募があった。琉球新報短編小説賞受賞者のもりおみずきさん、福山市立大学教授の齋木喜美子さん、琉球大学准教授の武藤清吾さんが選考に当たった。平岡さんの受賞作は22日付本紙に掲載する。贈呈式は22日午後6時から那覇市前島の沖縄かりゆしアーバンリゾート・ナハで開かれる。