熱雷が原因か 蒸し暑く風弱い日に発生 「建物、車に避難して」


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熱雷が発生する仕組み

 沖縄気象台によると、糸満市西崎町の美々ビーチいとまんで4人が負傷した落雷事故は、蒸し暑く風が弱い日に陸上部で発生する「熱雷(ねつらい)」が原因である可能性が高い。同気象台は熱雷が起こりやすい気象条件がそろっていたことや、本島の北東から南西に向かって流れる雷雲があったため、事故3分前の24日午後2時42分、本島全域と久米島に雷注意報を発令していた。

 熱雷は、強い日射で地面が熱せられて上昇気流が発生し、局地的に発達した雷雲のことで、発生は夏場が多い。風が強いと熱せられた空気が流れるため、風が弱い日にしか発生しない。晴れた日でも雷雲が急速に発達することがあり、予測が難しいという。

 同気象台によると、糸満市にアメダス(地域気象観測システム)の観測点はないが、午後3時の那覇市の風速は西南西の風3・2メートルで、糸満市も弱かったとみられる。最高気温は那覇市で平年より1・6度高い33・2度、南城市糸数で今年最高の33・8度を記録。中南部は陸上部の大気が不安定で、熱雷が発生しやすい条件がそろっていた。

 同気象台によると、雷雲が近くにある場合、広場の真ん中や電柱など高い物のそばにいるのは危険。建物の中が最も安全で、近くに建物がない場所では車の中に避難するのが望ましいという。