沖縄の玄関口となる那覇空港の乗降客数が、2015年度は前年度比5・8%増の1854万人(速報値)となり、過去最高を記録した。12年度以降、4年連続で過去最高を更新した。国際線の乗降客は4年間で約4倍の250万人と大幅に伸びた。国内線の乗降客数はほぼ前年並みの0・9%増の1604万人だった。外国路線の開設や数次ビザ発給件数の急増などを背景に、沖縄を訪れる外国人観光客の増加が全体を押し上げた。
沖縄と海外を結ぶ航空路線は、2008年度は台北、ソウル、上海の計3路線、週19便にとどまっていた。12年度末時点では台北やソウル、上海、香港、台中の5路線が週49便を運航し、14年度には9路線の週121便と大幅に増加した。12~15年度の直近4年間では104便増え、那覇空港の乗降客数を押し上げている。
外務省が発給する中国人個人観光客向けの沖縄数次査証(ビザ)件数は2015年は前年比3・3倍の6万298件となり、過去最高を更新。導入された11年は8964件で、4年間で6・7倍と大幅に増加した。円安傾向や沖縄と中国を結ぶ路線の新規開設も好影響となり、来沖する中国人観光客が伸びている。
一方、那覇空港ビルディング(NABCO、那覇市)は旅客の利便性向上を図るため、国際線と国内線ターミナルビルを結ぶ立体連絡通路を建設し、15日から通行可能となっている。連絡通路は長さが355メートル。国内線ビルと国際線ビルの2階を結び、新設した第3立体駐車場にも直結する。
これまで国内線ビルと国際線ビルの間は、雨や日差しをよける屋根付きの通路がなく、観光客からの苦情が多かった。(呉俐君)