【東京】菅義偉官房長官は4日午前の記者会見で、米軍普天間飛行場の辺野古移設問題を含む基地問題と沖縄振興との在り方について「(基地と振興の)両方の課題を全体に総合的に推進していく意味合いにおいてはリンクしているのではないかと思う」などと述べ、基地と振興の「リンク論」を認めた。従来の政府方針から大きく立場を転換させた。翁長雄志知事が辺野古移設に協力しない場合に振興予算を減らす考えはあるのかとの質問に対しては「工事が進まなければ予算が少なくなるのは当然ではないか」と述べ、2016年度沖縄振興予算の減額を否定しなかった。
基地と振興のリンク論を巡っては、1月の政府・沖縄県協議会で政府と県との間で「リンクしない」との確認がなされていた。 菅氏は4日の会見で基地と振興がリンクする理由について「政府による沖縄振興の目的には返還された基地の跡地利用はもとより、基地があることによっての基地負担軽減も含まれている」などと述べ、基地跡地利用との関連性を述べた。振興予算3千億円台の確保については「しっかり約束通り守っていきたい。そこは変わっていない」との考えも述べた。【琉球新報電子版】