鶴保沖縄相「振興に『聖域』ない」 知事と初会談


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沖縄担当相就任後、初めて会談し握手する鶴保庸介沖縄相(左)と翁長雄志知事=9日午前、県庁

 3日の内閣改造で沖縄担当相に就任した鶴保庸介氏は9日県庁で翁長雄志知事と初めて会談した。翁長知事は「沖縄振興予算の満額確保と税制改正要望の実現をお願いしたい。過重な基地負担の軽減にも取り組んでほしい」と要望した。鶴保氏は「振興のために『聖域』はないと考えている。しっかり仕事をさせていただきたい。本当の意味で(沖縄に)寄り添える形はどういうものか、一緒に考えさせてほしい」と答えた。

 沖縄からの帰任時、「振興に聖域はない」という発言の趣旨を問う記者団に対し鶴保氏は「制度や法律を含め(新たに)作っていくという思いだ」と説明した。沖縄関連予算については「3千億円の確保に向けて全力で努力したい」と述べた。

 鶴保氏が沖縄入りするのは沖縄担当相就任後は初めて。翁長知事は沖縄振興予算の確保や子どもの貧困対策の推進など17項目を盛り込んだ要望書を手渡した。

 鶴保氏は4日の就任会見時、米軍普天間飛行場移設の作業遅れに関連して「消化できないものを無理やりお口開けて食べてくださいよでは、批判に耐えられない」などと述べ、沖縄振興と基地問題をリンクさせる発言をしていたが、翁長知事との会談時に関連する発言はなかった。

 鶴保氏は9日、県内の経済団体や県市長会など市町村4団体の代表らとも意見交換した。

 また、糸満市摩文仁の平和の礎(いしじ)と国立戦没者墓苑を訪れ、戦没者墓苑では献花して手を合わせた。