拡張型心筋症のため心臓移植が必要な森川陽茉莉(ひまり)ちゃん(1)への寄付総額が、9日現在で5264万円余になった。県内の金融機関や外食チェーンなどで募金箱を設置して支援する動きが広がっているが、目標額2億9500万円の約6分の1(18%)にとどまっている。陽茉莉ちゃんは心臓が拡大するなど一進一退の容体。両親は待機期間を考慮し8月にも渡米したい考えだが、現状のペースでは今月中の渡米は厳しい状況だ。
同会が県内で活動を始めて14日で1カ月。両親は11月までの移植を希望している。提供者が見つかるまでの待機期間を考え、8月中に渡米することが望ましいという。
こうした中、陽茉莉ちゃんを支援しようと、県内各地に店舗を構える銀行や外食チェーン、ガソリンスタンドなど多くの企業が名乗りを上げた。「ひまりちゃんを救う会」の呼び掛けに応じ、募金箱を設置する店舗などが県内864カ所になった。
同会は毎週末、父孝樹さん(30)の出身地うるま市を中心に街頭で支援を募っているが、目標額達成に向けて募金箱の回収にも力を入れる。
これまでに募金箱を設置しているのはA&W沖縄が全45店、沖縄銀行が全73店、琉球銀行が全68店、サンエーが本店など県内15店、丸三が全88店など。ほかにも県石油商業組合青年部会が加盟ガソリンスタンドに設置するなど、さまざまな企業が協力している。
個人経営の飲食店や商店、病院などでもうるま市をはじめ、沖縄市、那覇市、浦添市など、離島を含め17市町村に広がっている。
同会の津波成将共同代表(30)は「多くの場所に募金箱を置いてもらうことで活動の周知につながるが、募金箱がいっぱいになっているという問い合わせも来ている」と語る。
募金の回収は、設置者が同会口座に振り込むことなどを呼び掛けている。「贈呈式などの開催の要望があれば前向きに対応したい。確実に受け取れるようにするため、まずは会に連絡してほしい」と話した。
陽茉莉ちゃんの容体は一進一退だ。母佳菜子さん(24)は3日、同会ホームページで「心臓が大きくなっており、肝臓も大きくなっていると言われました。他の臓器が大きくなるのは、心臓がうまく循環を保てていないときに起きるようです」と報告。「これまで体調は良くなったり悪くなったりを繰り返していますが、やはり少しずつ悪くなってきていることを実感します。本当に怖いです。誠に勝手ですが、どうか皆さまのお力をお貸し下さい」と呼び掛けている。