発がん性が指摘される有機フッ素化合物(PFAS)が米軍基地周辺などで検出されている問題をテーマにした美術作家・鈴木萌さん(40)=東京都=の写真展「Aabuku」(アーブク)のトークイベントが2日、那覇市牧志にあるギャラリー「Foto Space Reago」で行われた。鈴木さんは「PFASは目に見えない。味も匂いも何もない。この伝わりにくいものをどう伝えるか模索した」と話した。
トークイベントは鈴木さんと琉球朝日放送(QAB)ディレクターの島袋夏子さんが登壇した。米軍によるPFAS汚染問題を取材している島袋さんは、県内大学で非常勤講師も務め、米軍の環境汚染問題を伝えていることに触れた。その上で島袋さんは「鈴木さんは写真やアートで問題を伝えている。人に理解して、関心を持ってもらうにはいろいろな方法があると感じた」と話した。
鈴木さんは県内に住んでいても、PFASの汚染問題を知らない人がいると話し「一見何もないように見えるが、(実は)日常にある問題についての表現を試みた」と来場を呼び掛けた。この日は24人が来場し、ほぼ満席だった。
写真展は7日まで。展示時間は午後1時から7時まで。入場無料。
(狩俣悠喜)