【東京】環境省は17日、有機フッ素化合物(PFAS)の目標値などを検討する専門家会議と水質基準逐次改正検討会の合同会議をオンラインで開催した。PFASのうち、注意喚起が必要とされる「水質管理目標設定項目」に位置付けられているPFOSとPFOAを、水道事業者に順守や検査を義務づける「水質基準項目」への格上げを含めた見直しの議論を開始した。
内閣府の食品安全委員会がPFASの健康への影響について、出生時の体重低下やワクチン接種後の抗体低下との関連は「否定できない」とする食品健康影響評価書をまとめたことを踏まえ、意見を交わした。PFOSやPFOAを水質基準項目に格上げした場合、事業者の対応が間に合わない可能性も踏まえて猶予期間を設ける案も出た。
現在、情報や知見を収集する「要検討項目」に位置付けられているPFHxSについて「PFOSやPFOAの代替として使おうとする流れをつくらないことが重要だ」として、「水質管理設定項目」に格上げする必要があるとの意見が上がった。別の有識者は欧州など海外の潮流を踏まえて「(PFOS、PFOA、PFHxSではない)他の物質も『要検討項目』に加えて知見を収集してもいいのではないか」と提案した。
(明真南斗)