2015年に沖縄から海外に輸出したビールは数量が前年比41・5%増の2488キロリットル、金額が38・1%増の3億8070万円と大幅に伸び、数量、金額とも6年連続で過去最高を更新した。輸出の大部分はオリオンビールで、沖縄を訪れた外国人観光客を通じて商品のリピーターが増えていることや、企業の積極的なプロモーション活動による取扱店の増加、輸送航路の整備などが海外出荷を押し上げている。
沖縄地区税関が18日に発表した。ビール輸出は2010年に比べて4倍超の規模に拡大し、食料品を中心とした県産品の中でも主力となっている。16年上半期(1~6月)も前年同期比2割増で推移していることから、今年も記録をさらに更新する勢いだ。
15年の日本全体のビール輸出実績(7万3770キロリットル、85億4979万円)に占める沖縄の割合も数量ベースで3・4%、金額ベースで4・5%に拡大。国内のビール市場が縮小する打開策として大手メーカーも海外戦略に取り組む中、オリオンビールを中心とした沖縄の増加率は全国平均を上回って推移し、年々シェアを広げている。
輸出国別では台湾(1367キロリットル、1億8111万円)が半数を占め、米国(545キロリットル、1億514万円)、香港(258キロリットル、4503万円)と続く。
海外展開を強化するオリオンビールはロシアやニュージーランドでも販売が本格化。台湾では大手コンビニに「オリオンドラフト」が陳列され、今年2月には海外初の事務所となる台湾事務所を開設した。