【東京】桑江朝千夫沖縄市長は19日、防衛省で若宮健嗣防衛副大臣と面談し、米軍牧港補給地区(キャンプ・キンザー)の倉庫群とキャンプ瑞慶覧のスクールバス関連施設を、沖縄市の米軍嘉手納弾薬庫知花地区へ移設することについて「断腸の思いで受け入れる」と表明した。これに対し、若宮副大臣は「感謝を申し上げる」と述べた。
桑江市長はその後、報道陣の取材に対し、受け入れの理由について「(移設に関する)協議会を設置して、沖縄市のさまざまな課題を解決する場がこれからも続くということが確認された。多目的アリーナの建設や池武当のインターチェンジ整備に協力いただけるなど、沖縄市の振興にも理解をいただいた」と述べた。
「断腸の思い」という言葉を使った理由については「地域から100%の合意が得られないのは見えているし、反対意見もしっかりと聞いている。その中で結論を出さないといけない。私の責任として決断するのはそういう思いがあるということだ」と話した。
これに先立ち同日、防衛省は地方協力局次長、沖縄防衛局次長、沖縄市副市長らでつくる嘉手納弾薬庫地区(知花地区)への移設に関する協議会を設置し、初会合を開いた。
協議会では今後の進め方や協議の事項などを確認した。沖縄市側は、交通渋滞解消や河川の改修工事、池武当のインターチェンジの整備、1万人規模の多目的アリーナ建設などへの協力を求めた。
若宮副大臣は桑江市長との面談で、これらの課題について「省を挙げて全力で取り組む」などと述べ、積極的に対応する姿勢を強調した。
桑江市長は記者団に対し「交通渋滞や河川の氾濫、ごみなどの環境の問題は今のままではまだ不十分だと協議会で申し上げた。しかし協議会では、しっかり解決することを確認した」と期待を示した。