3歳のめいがエイサー柄の子ども用Tシャツを着ていました。遠目からはまるでエイサーの衣装を着ているようでした。「トミハチ」という会社が作っているそうです。ぜひ調べてください。
(宜野湾市 オジー・オボーン)
エイサー柄の子ども用Tシャツですか。着付けの必要もなく、子どもでも簡単に着られそうですね。さっそく調査開始です。
手軽に伝統の装い
北中城村安谷屋にある「トミハチ」のショールームを訪れると、「ハッピ柄」「カスリ柄」「チョンダラー柄」「琉装・紅型柄」のオリジナルTシャツが並んでいます。「よりリアルになるようこだわっています」と代表の豊見山豪(すぐる)さん。前側だけでなく背中側もしっかりデザインが施されています。県内の各青年会のデザインをもとに製作した青年会風TシャツやペットボトルカバーにもなるミニTシャツ、ミニホルダーなどもあり、エイサー関連の商品は多岐にわたります。
「トミハチ」は、もともとバスケットボールなどのユニホームをオーダーメードで製作・販売してきました。約200度の熱でインクを気化(昇華)させ生地を染める「昇華プリント」の技術を使い、通気性を損なわずに機能性も兼ね備えた衣服が特徴です。
ユニークな商品が生まれたきっかけを豊見山さんに聞くと、子ども会で姉たちが踊るエイサーを見ていた末っ子の稟心(りみ)さん(9)に着せるために作ったといいます。「当時1歳と小さく、エイサーの衣装が着られなかったので『Tシャツをデザインすればいけるのでは』という軽いノリで作ったんです」と豊見山さん。それを見た周りの人たちからの反響に後押しされ、2018年に商品化。「エイサー柄Tシャツ」は同年の第42回沖縄の産業まつりの県連会長賞を受賞しました。
販売を開始しようとした矢先にコロナ禍に。それでも逆境を逆手に、自社工場での製造に切り替え、青年会風Tシャツなど、多くのデザインを生み出した豊見山さん。商品は300種類以上に上ります。青年会風Tシャツは、さまざまな青年会の男女の衣装をモデルに作成。今では青年会や市町村から依頼が来ることもあるそうです。
関連グッズも開発
頭に巻く布「サージ」を子ども用に開発した「エイサージ」も人気。初めからひねりを入れてあり、かぶって後ろでひもを結ぶだけで簡単に装着できます。おもちゃの締太鼓も開発。ベニヤ板でできていて、約250グラムと軽量。重い、音が大きい、高額という悩みに応えた商品です。
中部を中心に青年会風Tシャツをどんどん製作しているトミハチ。エイサー団体が数多くあるというのをPRしたいという豊見山さんは「沖縄中の青年会を網羅したいです」と意気込みます。商品はトミハチのショールームやホームページの他、イオンモール沖縄ライカム2階のワゴンショップ、エイサー会館などでも購入可能。興味のある方は、リアルでユニークなTシャツをチェックしてみてください。
北中城村安谷屋1455-1-101
営業時間:11時~18時
定休日:日曜
TEL 098-989-0466
(2024年8月29日 週刊レキオ掲載)