地方自治の尊重訴え 那覇で辺野古訴訟巡りシンポ


この記事を書いた人 Avatar photo 与那嶺 明彦
あいさつする沖縄県の翁長雄志知事=24日、那覇市

 沖縄県名護市辺野古への新基地建設を巡る県と国の訴訟から、地方自治や民主主義の在り方を考えるシンポジウム「辺野古裁判で問われていること 第2弾」(辺野古訴訟支援研究会主催、オール沖縄会議共催)が24日、那覇市のパレット市民劇場で開かれた。一般向けのシンポジウムは2月に続き2回目。主催者発表で約300人が参加した。登壇者らは裁判所が地方自治を尊重して判断する必要性を訴えた。

 研究会事務局長の本多滝夫龍谷大教授が「辺野古裁判の焦点―地方自治、民主主義、司法の真価」と題して基調講演した。本多教授は不作為の違法確認訴訟での争点などを解説した。

 本多教授は、翁長雄志知事の辺野古埋め立て承認取り消しが自治権行使の結果だったとして「裁判所は自治権の行使を尊重することが、日本の民主主義と地方自治を救うことにつながるとぜひ認識してほしい」と強調した。

 翁長知事も出席し、あいさつ。訴訟を通じて得た感想として「政府は地方自治を全く理解していない」と述べ、国の姿勢を批判した。基地返還跡地での開発による経済発展などを挙げ、「沖縄は基地で食べている」との風説が事実でないとの認識を全国に浸透させる必要性を語った。

 県弁護団長の竹下勇夫弁護士は代執行訴訟の和解成立から現在までの経過や、今回の訴訟の争点を説明した。研究会代表の紙野健二名古屋大教授は今回の訴訟の流れから「(判決には)悲観的だ」とした。一方で「正論を話せば、裁判官を動かす」と述べ、多くの市民が辺野古を巡る訴訟に関心を持つ重要性を訴えた。