マングース 辺戸岬周辺根絶 県・環境省事業で2区域目


この記事を書いた人 新里 哲

 沖縄県と環境省は1日、本島北部でのマングース防除事業で、国頭村辺野喜―楚洲以北の区域(本島最北端の辺戸岬周辺、約53・1平方キロ)でマングースの根絶に至ったと発表した。2000年から始まった同事業で部分的根絶を確認したのは昨年に続き2区域目。わなによるマングース捕獲数は92匹で、100匹を割り込んだのは初めて。環境省によると防除事業の効果で、生息が脅かされてきた国の天然記念物ヤンバルクイナの生息数も回復している。

 全体で捕獲数、捕獲地域ともに昨年度より減少したため「マングースの生息数、分布地域は順調に縮小してきている」としている。

 県と環境省は22年度までに大宜味村塩屋―福地ダム(SFライン)以北での完全排除を目指し、ライン以北全域にわなを設置している。ことし3月までの15年度は92匹(前年度比27・6%減)を捕獲した。探索犬による捕獲と合わせて計125匹(同19・4%減)を駆除した。捕獲数は過去最多だった07年の619匹から約5分の1に減少した。

 辺野喜―楚洲以北では4年連続で捕獲がゼロで、センサーカメラなどの観測でも生息情報が得られず、捕獲もなかったことなどから根絶に至ったと判断した。今後は生息密度の低い北側区域を優先的に駆除し、根絶区域の拡大を目指す。