北部ヘリパッド工事、警察が作業員輸送 車両でゲート前へ


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県道70号を南下してきた警察車両(左)から降りて米軍北部訓練場内に入る作業員と見られる人々=2日午前11時50分ごろ、東村高江(市民提供、一部画像を加工しています)

 【ヘリパッド取材班】東村と国頭村に広がる米軍北部訓練場のヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)建設現場に近い、国頭村安波の県道70号で2日、抗議市民らに足止めされていた工事作業員約10人を、警察が警察車両3台で東村高江の同訓練場「N1地区」ゲート前まで乗せた。警察はこれまで作業員の車両を先導したり、通行を阻止する市民を排除したりしていたが、作業員を警察車両に乗せて直接ゲートまで運んだのは初めて。建設に反対する市民らは「やり過ぎだ」などと怒りの声を上げた。

 市民によると午前9時半ごろ、N1ゲートから北側約4キロの県道を、作業員の車両が警察車両に先導されながらゲートに向かい南下。市民らは県道上に車13台を止めて通行を阻止した。午前11時50分ごろ、作業員は機動隊の誘導でゲート方向に歩いて向かった後、その先に止まっていた警察車両に乗り込んだ。

 同ゲート前に乗り付けた赤色灯のついたワゴン車やパトカーなどの警察車両から作業員が降り、ゲートに入っていったという。目撃した市民らは「警察は公正中立ではないのか」「市民らの車は足止めするくせに」と反発した。

 県警は「警察官が(足止めの)現場からゲートに戻る際に、同じ方向に歩いて向かっていたこともあり、安全確保と(トラブルの)予防措置のため乗せた」と説明した。

 小口幸人弁護士は「不偏不党・公平中立であるはずの警察が、工事事業者の便宜を図った」と批判し、警察法2条1項で定める警察の責務を逸脱した行為で「責務を離れた行為をすることを警察法は明確に禁じている」と指摘している。