米軍協議滞り道路整備に遅れ 沖縄県内、返還予定地関わる7事業


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 北谷町の県道24号バイパスなど、返還が予定されている米軍基地に関係する県内7カ所の道路整備事業で、米側との協議が進まず工事の進展が滞っていることが7日、分かった。同バイパス工事では環境補足協定のため立ち入り調査ができていない。道路のほか治水のための基地内河川の整備も進んでいない。県の浦崎唯昭副知事らは7日、中嶋浩一郎沖縄防衛局長と川田司沖縄担当大使、ジョエル・エレンライク在沖米総領事に対し、公共事業を推進する上で必要な施設の一部返還や共同使用を迅速、着実に進展させるよう要請した。

 県が対応を要請した道路は(1)宜野湾北中城線(2)県道24号バイパス(3)浦添西原線(港川道路)(4)沖縄環状線(5)県道8号(6)県道104号(7)与勝半島南側道路(仮称)―の7事業。2011年から協議進展の要請を続けてきた。14、15年の要請はなかった。与勝半島の道路は今回初めて。

 宜野湾北中城線は、安谷屋交差点から北中城村役場前までの区間が基地に接している。拡幅工事を計画する県は返還期限前の早期着工を求めるが、米側は13年の統合計画で示された「24年度またはその後に返還可能」を掲げて応じない姿勢を崩していない。

 港川道路は08年に一部返還が承認された。県は18年3月に一部供用開始の沖縄西海岸道路と同時供用できるよう着工への協力を求めてきた。米側は基地内郵便局の移設とセットだと主張し、県は切り離しを求めている。

 浦崎副知事は「部分的な敷地境界線の変更であるにもかかわらず協議が進展しないため、長年にわたり公共事業の進捗(しんちょく)が滞る事例が多く生じている」と対応を求めた。

 川田大使は「県と協力しながらやっていきたい」と応じた。中嶋防衛局長は「折衝に当たって優先順位をつけるのも一つの方法かと思う」と話した。