31市町村が計2億2400万要求 沖縄県の子どもの貧困対策基金


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 今年3月に沖縄県が創設した「県子どもの貧困対策推進基金」の30億円を財源とする交付金の配分で、2016年度は県内31市町村が総額2億2465万3千円を要求していることが8日分かった。県子ども生活福祉部によると、県事業分と同基金を活用した就学援助制度周知広報事業を合わせた総事業費は2億7122万3千円。16日開会の県議会9月定例会に補正予算として提案され、各市町村は予算成立後に分配される事業費を基に、貧困対策を本格的に推進する。

 同基金を財源とする事業のうち市町村交付事業は5事業で、内訳は(1)就学援助の充実を図る事業(27市町村、1億7001万5千円)(2)放課後児童クラブの利用料負担軽減を図る事業(9市町村、1167万1千円)(3)同子どもの貧困対策に資する独自事業(16市町村(3321万8千円)(4)国庫補助事業を活用し、同対策に資する事業(4市町、389万9千円)(5)同対策に資する事業実施に必要な臨時・非常勤職員等の配置(7市町、585万円)。

 就学援助事業は、小中新入学費の単価増額(那覇市)、中学生の修学旅行費補助限度額を5万円から5万7590円に引き上げ(沖縄市)などに充てる。独自事業では、子ども塾送迎バスの人件費・リース費補助(名護市)、ボランティア団体などの中間支援(那覇市)、スクールソーシャルワーカー1人分の費用補填(ほてん)(北谷町)などが挙がっている。

 県事業への分配は3547万2千円。同部によると県は本年度、子育て世代包括支援センターに関する調査・検討事業(約1100万円)と、支援機関などの情報を提供するアプリ製作事業(約1600万円)を軸に事業に取り組む。同基金を活用した就学援助制度周知広報事業は1109万8千円を計上している。

 本年度は交付金を求めていない自治体が10町村あった。県は次年度以降も多くの市町村に活用してもらえるよう、引き続き意見交換を進める方針だ。