「栄町共同書店」 棚に広がる本の小宇宙 <ぞくぞく開店、個性派書店>


「栄町共同書店」 棚に広がる本の小宇宙 <ぞくぞく開店、個性派書店> 店内には壁一面の大きな本棚があり、「箱」と呼ばれるひと区画ごとに「箱店主」がいて、それぞれの興味・関心に沿った本を販売しています
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那覇市安里の栄町市場に、今月1日にオープンしたばかりの「栄町共同書店」。複数の個人・法人が本棚のひと区画を間借りするというスタイルの「シェア型書店」です。

3坪の店内に入ると、天井まで覆い尽くす壁一面の本棚に心を奪われます。本棚は、ひと区画が幅45センチの「箱」と呼ばれるスペースに区切られており、箱店主と呼ばれる個人・法人が、思い思いの本を並べて販売しています。並ぶ本は、箱店主の興味・関心によって、さまざま。人文、社会、歴史、アート、生物、小説、コミックなどの本がセレクトされた箱は、一つ一つがさながら小宇宙のよう。

一つの「箱」は、箱店主が作り出す小宇宙。雑貨が並ぶ箱もあります

研究者と編集者、アーティストの6人が共同で出資と経営、店番などの仕事をしているのも特徴で、いわば本の共同売店とも呼べる場所。店内には吊り下げ式のスクリーンもあり、上映会や勉強会なども開催される予定。本を通じて箱店主同士、お客さん、地域の人たちのコミュニティスペースとなることが期待できます。

発起人の一人、前田勇樹さん
店内には吊り下げ式のスクリーンもあり、上映会も開かれます

那覇市安里381座波ビル1―C(栄町市場内)
営業時間=10:00~18:00
定休日=水曜、日曜
駐車場=なし
問い合わせはsakaemachi.bookcoop@gmail.com
Instagram=@sakaemachi_bookcoop

10月27日~11月9日は読書週間。気候もよく過ごしやすい秋の夜長、本のページをめくってみませんか? 近年、沖縄県内でもオープンが相次いでいる個性派書店をご紹介します。それぞれ運営のコンセプトがあり、普通の書店とはひと味違った持ち味が光ります。

2024年10月24日 週刊レキオ掲載