那覇市保健所は20日、管内で結核の集団感染が発生し、7日現在で最初に肺結核と診断された20代女性を含む4人が発病、6人が感染したと発表した。発病者4人は通院治療中で周囲に感染する恐れはなく、感染者6人も予防のため薬を投与されているという。
市保健所結核相談室によると、発病者・感染者は全員外国籍。女性は今年1月末ごろからせきの症状があって医療機関に通院していたが、4月に肺結核と診断されたため入院し、現在は通院治療中という。
さらに接触者健康診断を受けた女性の同居人や通学する日本語教育機関、アルバイト先の計39人のうち、同居者2人と学校関係者1人が発病、別の同居者2人と学校関係者4人が感染していることが判明した。
市内結核新登録患者のうち、外国人患者数は2013年がゼロ、14年が1人、15年が2人だったが、今年は8月末時点で11人と急増している。県全体でも13年9人、14年13人、15年7人と増加傾向にある。結核相談室の担当者は「感染源は特定されていないが、菌株解析の結果は県内データと一致せず、発病者の出身地から持ち込まれた可能性がある」と指摘。「せきやたん、微熱が2週間以上続く場合は早めに受診してほしい」と呼び掛けた。