個性豊かに木描く 県立芸大生と精神障がい者、作業通して交流


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精神障がい者と県立芸大の学生による共同制作。好きな色を次々と乗せていく=那覇市の県立芸術大学

 毎年、11月に開かれる「こころの芸術・文化フェスティバル」(県精神保健福祉連合会主催)に向け、県立芸術大学の学生と精神障がい者らの絵画の共同作成がこのほど、那覇市の県立芸大で行われた。精神障がい者らに絵を描くことに親しんでもらうことが目的。3作業所から計9人と、学生3人が参加。参加者たちは打ち解けた様子で、和気あいあいと作業を進めていた。

 同フェスティバルは、芸術や文化活動の発表により、精神障がい者が自信を持つことで、社会参加の促進を図ることなどを目指し開催されている。ことしで12回目。回を重ねる中で「絵画の技術を高め、同時に裾野を広げよう」と、これまでにない芸大生との共同作業が企画された。

完成した絵画「自由と風と色」

 参加者たちはまず、キャンパスに大きな木を描いた。色を次々と足したり、表面に指や爪で模様を描いたりして工夫を凝らした。その上で、葉を張っていった。とがった葉、丸い葉、手形で描いた葉などに加え、鳥、チョウ、花も作成され、木はにぎやかになった。完成した絵画は「自由と風と色」と命名された。

 那覇市の障がい者支援センター泉崎から参加した亀山朝未さん(36)は「楽しい。みんなで作るので予測がつかない。明るくしようと、明るい色を足していった」と話した。南風原町のてるしのワークセンターの山城佳奈恵さん(25)は「葉っぱ作りが楽しかった。ピンクで作ってきれいだった」と喜んだ。

 県立芸大4年の今村雄太さん(21)は「作品を作る中で、コミュニケーションを取ることができて良かった」と話した。