キンザー倉庫群移設予定地で無断造成 沖縄市・知花地区


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外部から持ち込まれた土砂で造成された米軍嘉手納弾薬庫知花地区内の土地。奥には盛り土されている様子が確認できる=沖縄市大工廻

 【沖縄】米軍牧港補給地区(キャンプ・キンザー)の倉庫群の移設地となる沖縄市大工廻(だくじゃく)の米軍嘉手納弾薬庫知花地区の一部土地が管理人を称する男性によって無断で造成され、実施中の文化財調査の妨げとなっていることが2日までに分かった。「およそ1ヘクタール」(県)にわたり造成された土地は重機で大規模に盛り土がされており、賃貸借契約を締結している沖縄防衛局が再三退去を求めている。大型車が深夜などに出入りする様子も目撃されており、関係者は工事現場から発生した土砂や廃棄物が運び込まれた可能性もあるとみている。沖縄市や県も現地視察をして土地の形状変更の様子を監視している。

 場所は米軍提供施設内だが、黙認耕作地周辺にあり、運び込まれた土砂で約10メートルほどの盛り土になっている。
 倉庫群の移転に伴い、同地区では沖縄防衛局が黙認耕作者やトタン小屋の所有者らに11月30日までの退去を求めている。男性は取材に対し「これまで土砂を撤去しろとか何も言われなかった。何でいまさらとは思うが、11月いっぱいまでには退去する」と話している。造成行為については「畑にするつもりだった」とし、造成地の一部に視認で家電製品などの投棄がされている現状については「フェンスを破られて勝手に捨てられた。別の所で処理している」と答えた。
 沖縄防衛局は昨年来、5回にわたり退去を求める行政指導をしてきた。本紙の取材に対し防衛局は「造成を行っている者に対しては土地の使用を中止し物件を撤去の上、土地の明け渡しを求めている」と話している。
 防衛局も11月いっぱいまでの退去の回答を得ているとして「今後も丁寧な説明をして理解と協力をお願いしていく」とした。
 盛り土については沖縄市と県も9月中にフェンス内に立ち入り目視するなどして監視しているが、廃棄物を埋めているかを確認する掘削調査はできていない。
 土地周辺では2016年7月~17年3月の日程で文化財調査も行われており、市などは「あれだけ盛り土をされては調査も難しくなっている」「調査はできる場所から虫食い的にやっている。造成された土地の対応は防衛局に一任している」と話している。
 盛り土の造成がなされた土地の所有者は「管理人から『土地がくぼんでいたから土を入れて平らにした』と聞いている」と話し、廃棄物の有無については「分からない。投棄されていたとしたら困る」と語った。