南西石油、太陽石油へ売却で最終交渉 精製は再開せず


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 南西石油(西原町)の事業承継問題で、親会社のブラジル国営石油会社ペトロブラスが、四国を拠点とする石油元売りの太陽石油(本社・東京、岡豊社長)と株式譲渡で最終交渉に入ったことが、4日までに分かった。売却額は数十億円規模になる見通しで、年内の正式契約に向けた交渉を進めている。一方、南西石油を売却して日本事業から完全撤退するペトロブラスは、南西石油の身売りに伴って従業員約150人のうち70~100人程度の早期退職を募る方針を示すなどしており、雇用問題も重要な局面を迎える。

 原油価格の下落などで経営環境が悪化したペトロブラスは、不採算事業の南西石油の売却に向けた入札交渉を進めていた。太陽石油側は、設備が老朽化し、既にペトロブラスが閉鎖した精製事業については再開せず、石油タンクの運営や石油製品の販売事業を展開するとみられる。

 複数の業界関係者によると、これまでに太陽石油のほかJXホールディングスや東燃ゼネラル石油などの国内石油元売り大手、商社などの複数社が関心を示していたという。ペトロブラスは太陽石油を最終交渉先として絞り込んだが、両社の交渉は事業譲渡の条件などをめぐって流動的な要素も残されている。

 太陽石油総務部は琉球新報の取材に「この件に関してコメントすることはできない」と回答。南西石油コミュニケーション部は「本社から正式決定したという連絡は受けていない」とした。(宮城征彦、金良孝矢)