台風18号は3日夕方、数時間で905ヘクトパスカルにまで急発達した。気象庁と沖縄気象台でも急発達を予測することが難しく、突然の特別警報の発表となった。沖縄気象台は18号を「コンパクトにまとまった台風」と表現し、中心に勢力が集中していることを何度も強調。雨よりも風が強く、さらに台風の中心と外側で強さに差があり、中心に近づくと急に風が強まった。中心付近を通過した久米島では被害が甚大で、台風の外側を通過した本島と被害の大きさに差が出た。
沖縄気象台は3日午後5時に開いた記者会見で、特別警報を発表する可能性について「ないわけでは、ない」と可能性の低さを感じさせた。しかし台風は915ヘクトパスカルから905ヘクトパスカルに達し、特別警報を7時2分に発表。気象台は午後8時に2度目の記者会見を急きょ開いた。
4日、急発達を予想できなかった原因について気象庁と沖縄気象台は取材に対し「時間をかけて検証しないと分からない」と話し、明言を避けた。海面水温が平年より高いなど、台風を発達させる要因は確認していたが905ヘクトパスカルに達するほどではなく、「時間をかけて検証する」と繰り返した。
一方、暴風警報が発表されたのは3日午前6時11分だが、台風が那覇に最接近したのは同日午後9時だった。暴風警報の発表で学校は休校となったが、バスやモノレールは午前中は運行した。「暴風警報の発表が早過ぎるのでは」という声もあった。
沖縄気象台は、暴風域に入る3~6時間前に暴風警報を発表している。3日午前6時時点で気象台は、正午~午後3時に暴風が吹き始めると予想していたため、6時間前の午前6時すぎに警報を発表した。「安全面の確保のため、県民が出勤、登校する前に発表するようにしている」と話し、早めの発表によって台風対策ができるようにしていることを説明した。