【石垣】科学ジャーナリストによる学問と社会をつなぐ業績を挙げた著作に贈られる第14回パピルス賞(主催・関記念財団)に、石垣市大浜の安本千夏さん(51)が手掛けた「島の手仕事―八重山染織紀行―」(南山舎出版)が決まった。県内から受賞は初。安本さんと南山舎(上江洲儀正社長)が7日、受賞を報告した。11月1日に東京で表彰式が開かれる。
作品は八重山の染め織り技術者16人を取材し、技術だけでなく人生の歩みなども聞き出して一冊にまとめた。織物の写真のほか、八重山の染料植物や用具の資料編も添え、技術継承を支える内容にもなっている。掲載写真の撮影や編集には夫で南山舎編集者の大森一也さん(54)が携わった。
安本さんは「とてもうれしい。受賞は八重山の皆さまの生き方に対する称賛であると受け止めている」と喜びを語った。
上江洲社長は「南の端の出版社が評価され、うれしい」と話した。