雇用問題が焦点に 太陽石油の沖縄・南西石油買収 ペトロブラスは日本から撤退


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太陽石油への全株式譲渡が決定した南西石油=沖縄県西原町(2013年)

 南西石油(沖縄県西原町)の親会社で、ブラジル国営石油会社のペトロブラスは18日、四国を拠点とする石油元売りの太陽石油(本社・東京、岡豊社長)に南西石油の全株式を譲渡することを発表した。譲渡価格は1億2928万ドル(約134億円)で支払い手続きは12月に完了する。2017年1月に太陽石油が南西石油の親会社になる予定。南西石油は事業承継に伴い、現従業員の希望退職を募る方針を示しており、年末に向けて雇用問題が重要局面を迎える。

 太陽石油は、設備老朽化のため閉鎖した精製事業は再開せず、石油タンクの運営や石油製品の販売供給を行う。ペトロブラスは売却後、日本から完全撤退する。

 ペトロブラスは17日の取締役会で太陽石油への株式譲渡を決定した。太陽石油は、ペトロブラスの子会社「ペトロブラス インターナショナル ブラスペトロBV」が保有する南西石油の全株式268万5664株を取得する予定。

 太陽石油は、琉球新報の取材に対して「事業承継後、石油製品を県内で安定供給するのが責務だ」と話した。「SOLATO(ソラト)」ブランドのガソリンスタンド進出は「現段階でこだわることではない。既存の流通ネットワークを尊重する」と慎重な考えを示した。

 買収の理由については「沖縄は石油製品の消費が伸びている重要なマーケットだ。(太陽石油の)四国事業所にある原油タンクが不足しているので、四国に近い南西石油のタンクを活用したい」とした。

 従業員の雇用には「(タンクを運営する)ターミナル機能が中心なので必要な従業員は限られる。南西石油から引き継ぐ従業員の雇用は安定させたい」と述べるにとどめた。

 南西石油は「コメントはできない」とした。

 太陽石油は西日本を中心に、全国340カ所(8月末現在)にガソリンスタンドを構え、石油の輸出入、精製、供給・販売事業を行う。

 4月1日現在の資本金56億円、従業員数669人。2016年3月期の売上高は6096億円、経常利益は125億円だった。