高額提示に驚き 南西石油売却で沖縄石油業界 価格転嫁に懸念も


この記事を書いた人 アバター画像 琉球新報社
ペトロブラスの日本撤退方針を地元西原町に説明した南西石油のイシカワ社長(当時)=2015年3月、沖縄県の西原町役場

 四国を拠点とする太陽石油が、南西石油(沖縄県西原町)の全株式を約134億円で買収することに対し、沖縄県内の石油業界関係者からは「想像以上の金額だ」と驚きの声が上がった。太陽石油は「県内での安定供給は責務だ」と強調する一方、県内関係者は「採算を取るため、石油製品の卸価格への影響が気になる」と不安の声も漏れる。

 太陽石油は2017年1月から南西石油を子会社化して県内での製品供給も視野に入れる。太陽石油は卸価格への影響について「具体的には事業承継してから」とした上で、「四国から製品を移送する費用はかかるが、適正な価格で販売したい」と説明した。

 ペトロブラスは08年に東燃ゼネラル石油から南西石油の株式87・5%を約55億円で取得。10年に住友商事から残り12・5%を取得した経緯があり、今回の買収額は倍以上と高額だ。

 県内関係者は「南西石油の施設は老朽化しているので今回の金額は想像以上だ」とした上で「県内市場で採算が取れるのか。どの程度、卸売価格に転嫁するのか分からない」と不安を口にした。

 別の関係者は「堅実な経営に定評ある企業なので、現実離れした価格にはならないと思うが、これまで沖縄との直接的な関わりがないので対応が見通せない」と話した。

 県関係者は「まだ太陽石油から連絡はないが、安定供給は確保される企業だと認識している」と話した。