【八重瀬】沖縄民謡「汗水節」の英語版解説CDがこのほど完成し、汗水節の里啓発協議会(平仲善幸会長)が20日、八重瀬町に100枚を寄贈した。県立向陽高校(半嶺通男校長)の国際文科の生徒たちが英語と中国語に翻訳し、英語版をCDにした。平仲会長は「汗水節の心を世界の人、海外のウチナーンチュに伝えていきたい」と話した。CDは28日に開かれる第6回世界のヤエセンチュ大会の参加者に配布される。
汗水節は、昭和初期に旧具志頭村出身の仲本稔氏が作詞、宮良長包氏が曲を付けた。勤労や社会奉仕の大切さが歌われている。八重瀬町は2014年、仲本氏の生誕110年に合わせて「汗水の里」を宣言した。
半嶺校長によると、移民として海外に渡ったウチナーンチュは、南米やハワイなどで苦しい時に汗水節を歌っていたという。
英語版は、向陽高校国際文科英語コースの生徒50人がシンガポール出身のALT(外国語指導助手)、ペイ・チョンさんと昨年11月から取り組んできた。ナレーションはイギリス出身のALTマケイラ・ヒューズさん(23)が担当した。
仲本氏を英語で紹介した後、6番までの歌詞がうちなーぐちと英語の交互で朗読される。うちなーぐちの歌・三線も収録されている。CD制作は、町内6業者が資金協力した。
生徒たちはうちなーぐちを日本語に訳してから英語・中国語を考えた。英訳に携わった3年の安次嶺佳澄さん(18)は「直訳ではなく、歌詞の背景や意味も含めて訳した。ウチナーンチュとしての誇りを持てた」と感想を話した。
中国語に翻訳した中国語コース3年の宮良優輔さん(18)は「中国人観光客が増えているので中国語版のCDができたら、空港などで流してほしい」と提案した。
贈呈式で比屋根方次町長は「英語版が海外へ広がっていくことを期待している」と語った。