沖縄文化圏 絆を確認 沖永良部で野外音楽祭


この記事を書いた人 新里 哲
24年ぶりに上演した劇「世之主」で、中山の軍勢が沖永良部島に攻めてきたとの誤った報告を世之主(中央)が受ける場面=3日、鹿児島県和泊町(沖永良部島)

 【沖永良部で古堅一樹】琉球王国の三山時代に北山の支配下にあった沖永良部島を統治した北山王の次男「えらぶ世之主(よのぬし)」が亡くなって600年。この節目を機に同島と沖縄のつながりを再認識する「えらぶ世之主没後600年記念事業」の一環で「世之主野外音楽祭」(同実行委員会主催)が3日、鹿児島県和泊町の世之主城跡で開催された。

 地元有志による「劇団がじゅまる」が、世之主伝説を描いた劇「世之主」を24年ぶりに上演したほか、琉球舞踊や沖縄民謡など沖縄に関係する音楽がステージを飾った。

 3日の野外音楽祭には島内の琉舞道場や民謡研究所、地元バンドなど8組が出演し、住民ら約200人が来場した。

 世之主野外音楽祭実行委員長の桂弘一さん(59)は「われわれは明治に琉球と切り離され、鹿児島県になっているが、食も言語なども沖縄の文化でアイデンティティーは琉球だ。アイデンティティーを見詰め直す機会にしたい」と強調した。

 同事業は5日に記念シンポジウムや今帰仁村「北山の風 今帰仁城風雲録公演」も行われる。