具志堅の秘蔵っ子、圧巻11連続KO ボクシング東洋太平洋ライト級の比嘉大吾


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4回 フェリペ・カグブコブ・ジュニア(左)の顔面に右アッパーを打ち込む比嘉大吾=5日、東京・後楽園ホール(石井恭子撮影)

 プロボクシングの東洋太平洋(OPBF)フライ級タイトルマッチは5日、東京・後楽園ホールで行い、チャンピオンの比嘉大吾(沖縄・宮古工高出、白井・具志堅スポーツ)が、同級2位のフェリペ・カグブコブ・ジュニア(フィリピン)を4回2分55秒KOで倒し、初防衛を果たした。戦績を11戦11勝11KOとし、デビュー戦からのパーフェクトレコードを更新した。セミファイナルのスーパーフライ級8回戦で沖縄県本部町出身の江藤光喜(北部農林高出、白井・具志堅スポーツ)はジュン・ブラゾ(フィリピン)に8回1分39秒KOで勝利した。江藤の戦績は24戦19勝(14KO)4敗1分け。スーパーウエルター級6回戦で那覇市出身の長濱陸(那覇高出、白井・具志堅スポーツ)は加瀬康司(レイスポーツ)に3回2分48秒TKOで勝利した。戦績は7戦6勝(1KO)無敗1分け。

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 世界タイトルへの挑戦を今か今かと待つ比嘉大吾(宮古工高出、白井・具志堅スポーツ)が、ファン注目の初防衛戦でKO勝利。これで11戦すべてで相手をリングに沈めた。

 宮古工高卒業後間もなくのデビューから2年5カ月の21歳は、その素質を見いだして世に送り出したジムの具志堅用高会長と同じ21歳での世界王者獲得にこだわる。「チャンピオンにはいつかなれるが、目標は21歳」。小柄な身体にエネルギーがほとばしる。

 初の防衛戦とあってか、野木丈司トレーナーが「珍しく力んで狙いが単調になった」と評した序盤は硬かった。サウスポーのフェリペ・カグブコブとは小柄な体格が似ており、「上だけ狙い過ぎてガードの上からパンチが見えず、狙いづらかった」と焦りを強めた。

 試合前、サウスポー対策で距離感をつかめずにいた比嘉は、野木トレーナーの声掛けや指導で立て直していた。その成果を2回以降に発揮する。「最後はびっくりするくらい距離感も分かって、パンチも見切れた」。リングサイドの指示通り、4回KOで仕留めた。

 年末に行われるWBCフライ級王座決定戦の勝者と「来春の4、5月にも世界タイトル戦をしたい」と具志堅会長は語った。比嘉は「世界タイトルに向け、集中力を欠かしたことはない。具志堅チームを信じて、絶対に世界を取る」と力強く語った。
(石井恭子)