IoTで野菜づくり 沖縄セルラー、カメラ搭載水耕キット開発


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スマホのアプリで栽培環境を確認できるIoT水耕栽培キット「やさい物語」=15日、那覇市の沖縄セルラー電話

 沖縄セルラー電話(那覇市、湯淺英雄社長)は15日、家庭で簡単に野菜づくりができ、インターネットで管理できるIoT水耕栽培キット「やさい物語」の開発と発売を発表した。リーフレタスやハーブなどを水と液体肥料で栽培し、スマートフォンの専用アプリを通じて野菜の成長過程や栽培環境が把握できる。カメラ機能を搭載して野菜の状態を定時撮影し、画像データを閲覧できる機能は日本で初めてという。

 沖縄セルラーは2013年から南城市玉城で植物工場を運営し「みらい畑」ブランドで販売展開している。「やさい物語」はIoT技術を農業分野に活用していく一環で、一般消費者向けの栽培キットの製品化に取り組んだ。

 キットは発光ダイオード(LED)使用で消費電力を抑え、スマホで点灯時間の制御ができる。気温や湿度、水位のセンサーデータをスマホで確認でき、異常が出るとスマホにアラート通知が送信される。IoT機能はKDDI総合研究所が技術協力した。

 那覇市の沖縄セルラー電話本社で会見した仲地正和常務は「3年間の植物工場事業で培ったノウハウを提供し、通信事業者の強みでIoTを入れ込んだ」と述べた。

 ECサイト「沖縄特産品本舗」を中心に全国へネット販売するほか、沖縄地区ではauショップでも購入できるようにする。12月中旬に予約開始、来年2月下旬の発売を予定する。価格は税抜き3万4800円。初回5千台に限り2万9800円で販売する。

 幅48センチ、奥行きと高さは33センチ。ハーブは20株程度、レタスは7~8株程度を栽培でき、種から1カ月ほどで収穫サイズに成長する。