聴覚障がい者の就労支援 「みみの木」本格運営 県内初、ろう者が施設長


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 那覇市若狭で10月から、聴覚障がいのある人のための就労継続支援B型事業所みみの木の運営が本格的に始まった。施設長の来間正人さん(56)もろう者。障がい者支援施設でろう者が施設長を務めるのは県内で初めてとみられる。来間施設長は「ろう者が手話で語り合えるので、安心で、気持ちが楽になる」と語る。来間施設長らは利用者を「仲間」と呼び、県内の聴覚障がい者に広く参加を呼び掛けている。

来間正人施設長(左)と共に笑顔を見せる「仲間」や職員ら=11月28日、那覇市若狭

 みみの木の開所に向けて、聴覚障がいのある人らでつくる琉球聾(ろう)太鼓が5月にチャリティーコンサートを開き資金造成を呼び掛けるなど、県内の聴覚障がい者や関係者の協力で、開所が実現した。

 みみの木の定員は20人だが、現在は59歳から85歳までの6人が通う。聞こえる人とろう者の職員がサポートしながら、チラシの配布や、タオルの折り込み、木工製品や紙を使った飾りを作って販売するなど、それぞれの活動に取り組む。利用者の1人、高良守さん(59)=那覇市=は「聞こえる人の中では、どうコミュニケーションを取るかいつも悩むが、ここでは気疲れがない」と話す。

 立ち上げたばかりで、送迎用の車が確保できていないなど課題は多いが、来間施設長は「少しずつ課題を克服し、5年後には地域生活支援センターなどさらに大きな聴覚障がい者の支援施設を造りたい」と語った。

 みみの木の問い合わせは(電話)・ファクス098(988)8662。メールはokinawa.mimi@gmail.com