「彼は沖縄を守った」 四軍調整官、興奮の口上 質問受け初めて謝罪


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キャンプ瑞慶覧で記者会見する在沖米軍トップのニコルソン四軍調整官=14日午後

 安慶田光男副知事から抗議文を受け取った在沖米軍のローレンス・ニコルソン四軍調整官の表情は、こわばっていた。安慶田副知事は抗議後、記者団に「県民に被害がないのは表彰ものだと言い、抗議に興奮して怒っていた。感覚が全然違う。私たちはオスプレイそのものがいらない」と一刀両断。ニコルソン氏の態度や発言は、県民の生命を一顧だにしない米軍の姿を浮き彫りにしていた。

 引き続き、北中城村のキャンプ瑞慶覧内の建物で始まった記者会見でニコルソン氏は冒頭で事故の原因などを説明した後、ここでも真っ先に口をついたのはパイロットへの称賛だった。
「彼の行動は沖縄を守った」「あれだけの損傷で着陸を試みられたのはオスプレイの丈夫さを物語る」「事故はシステムに関係ないことをもう一度申し上げる」

 身ぶり手ぶりを使った“口上”が続いた後、謝罪の言葉が出たのは開始から25分後。「誠に遺憾で、申し訳ない思いだ」。記者からの「謝罪はないのか」との問いに引き出される形だった。

 質疑応答後「配備から約4年、オスプレイは価値ある機体であり、防衛に役立つ機体だと理解してもらえている」

 会見の終盤で放った言葉には、飛行中止と配備撤回を求めた副知事の要請が脳裏に刻まれていないことを示していた。